ゲームタイトル | 翠の海 -midori no umi- | ブランド |
Cabbit |
シナリオ | 御厨みくり | 発売日 | 2011/10/28 |
原画 | さえき北都/ゆき恵 |
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修正ファイル | |||
ジャンル | 真実の欠片を探すADV |
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特典・キャンペーン |
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ボーカル曲 |
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キャラ名&CV |
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その他CV |
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システム |
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その他スタッフ |
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補足 |
【レビュー】 ※一部ネタバレ注意※
- 攻略面
- 16枚のカードになぞらえ、16のグッド&バッドエンドが存在する。
- ルート開放の流れ順で言うと、スタート時には1,2,3,4,10,14のみ開放されている。
それらの内の一つをクリアすると、5,6,11,12が開放される。
さらにそれらの内の一つをクリアすると、7,8,9,13が開放される。ただし、13は12のクリアも条件。
さらに9【幸せの茨道】をクリアすると、15,16が開放される、という流れ。
以下は各エンドへの手順。※付きの選択肢は条件を満たすことで発生。- T(1).【青い鳥のため】:第4章「夢の内容を現実と受け入れる」( → 「紡を無視する」※2)
- U(2).【生かされ】:第2章「こんな事実はおかしい。追求する。」 → 「もっと近くに寄る」
- V(3).【殺人者】:第3章「拓真を探す」( → 「灰奈と会話をする」※1 → 「気のせいだ……、落ち着け……」※1)
- W(4).【逃走】:第2章「こんな事実はおかしい。追求する。」 → 「一旦引いてみる」
- X(5).【狂気の中で】:第3章「拓真を探す」 → 「灰奈と会話をする」※1 → 「気のせいじゃない……。俺も……」※1
- Y(6).【瞬く星の下】:第3章「拓真を探す」 → 「灰奈と会話をしない」※1 ( → 「双子に尋ねる」※2) → 「空音を選ぶ」or「陸乃を選ぶ」(Hシーン変化のみの違い)
- Z(7).【護るべき者の隣で】:第3章「拓真を探す」 → 「灰奈と会話をしない」※1 → 「沙羅に尋ねる」※2
- [(8).【解けない魔法】:第4章「自分の記憶と憎悪を受け入れる」※2 ( → 「全てを受け入れて、ここで生きる」※4)
- \(9).【幸せの茨道】:第4章「夢の内容を現実と受け入れる」 → 「扉を開けてやる」※2
- ](10).【永遠の楽園】:第5章「みちるを手伝う」
- ]T(11).【赤い塔】:第5章「知紗を手伝う」※1
- ]U(12).【幸せのため】:第5章「他に出来ることを探す」 → 「知紗の提案を断る」※1 ( → 「気のせいだ。疲れているんだろう」※3)
- ]V(13).【永遠の幸せ】:第5章「他に出来ることを探す」 → 「知紗の提案を断る」※1 → 「……そうだ、真希奈は……」※3
- ]W(14).【必要な人間】:第5章「他に出来ることを探す」( → 「知紗と勉強する」※1)
- ]X(15).【踏み出した道】:第4章「自分の記憶と憎悪を受け入れる」※2 → 「これ以上を望んで、別な道を探す」※4 → 「知紗に全てを話す」※4
- ]Y(16).【翼広げて】:第4章「自分の記憶と憎悪を受け入れる」※2 → 「これ以上を望んで、別な道を探す」※4 → 「知紗に何も話さない」※4
- ●第2章「命が大事だ。今は受け入れる。」を選択で第3章へ。
- ●第3章「拓真を探さない」を選択で第4章へ。
- ●第4章「みちるの言うことを受け入れる」を選択で第5章へ。
- ※1:最低1つのエンドを見ることで発生。
- ※2:【狂気の中で】【瞬く星の下】【赤い塔】【幸せのため】のいずれかのエンドを見ることで発生。
- ※3:【幸せのため】エンドを見ることで発生。
- ※4:【幸せの茨道】エンドを見ることで発生。
- システム・音楽面
- バグとしては、選択肢を選ぶ場面をロードし、バックログを読んでみると< load start - M〜.rld >
というシステムログが出てしまうこと。
真希奈のヘアピンの位置が立ち絵では頭の左上部分にあるが、イベントCGにおいてはなぜか右側に瞬間移動していること。
選択肢が出ている時にカードモードを見ると、既に一つの選択肢を選んだ状態で表示され、その選択次第では行けるエンドにまで 『ここからはたどり着けない』扱いになってしまうこと。ただし、選択肢を選び終わると直る。 - システム面ではワイド画面対応ながら、起動時フルスクリーンができない、フルスクリーン時に ムービー表示がウィンドウサイズになる、などフルスクリーンには今ひとつ感はある。本家サポートにも触れられているが、 フルスクリーンへは最大化ボタンに対応しているものの、逆にウィンドウ化に戻すのにショートカットキーが無いのも残念。
- 逆に便利なのは、ADV通常画面上にあるQ-Save、Q-Load、Configボタンに合わせて【右】クリックを押すとそれぞれ Save、Load、環境設定画面に一発で飛べること。ボタンがごちゃごちゃしないという点でも◎。
- Config→カードモード、もしくはエクストラモード→カード閲覧を選ぶことで、16枚のカードがそれぞれ、 バッドエンドを含めた各Endになぞらえて用意されている。僅かながらヒントも書いてある。
- OP・EDムービー再生は画像閲覧の【背景2】から選べる。
- 1つでもエンドを迎えた後から、【最初からはじめる】を選ぶと各章から始めることができ、 クリアしたエンドがどこから入れなくなるかなどをカードで一覧表示してくれる。が、クリアしていない エンドがどこの章から入ればいいかまでは示してくれないので章スキップ以外のメリットはいまひとつ。。
- ボーカル曲2曲+BGMは15曲と少なく、クラシック調のものが多い。
- シナリオ面
- まず第一に人が死ぬ描写があるので、そういうのが苦手な人はまず無理。とはいえ、 直接傷付けているCGは無く、返り血の跡や音の演出などで表現している。
- 物語は記憶を失った主人公が翠の海に囲まれた脱出不可能な一つの館の中で、 他の人間との共同生活をどうしていくかを描いている。 単純に記憶を取り戻し、そこから出ようとすることもあれば、そこの生活に適応し、出て行くことを考えないように する、などなど。
- 1〜5章まであるが、2章途中から分岐が開始していくので大半のエンディングが5章まで迎えることは無い。
- 基本はシリアス展開で、優希以外ボケ要員が少ないのでコメディ色は少なめ。反面、おまけシナリオはボケ一辺倒。
- 館や同居する人間の秘密が分かっていくのはいいものの、結果的に描き切れていない部分もあるのは残念。 サブキャラの優希、白羽、深雪、拓真などは連れて来られた所以が全くと言って書かれていなかったし、 主人公の櫂に至っても最後までよく分からなかったり。
- 記憶喪失をさせる暗示がみんな解けていっているという話もあったけど、暗示が下手なのか、 わざといつか解けていくようにして精神的に崩壊させたいのかどっちだ……。
- グラフィック・Hシーン面
- 差別抜きでCGは80枚程度。
- Hシーンがみちる4、知紗4、双子2、双子個別で各1、沙羅2、灰奈3、紡2、真希奈2の計21個。 数だけ見ると割と多めだが、ほとんどがCG1枚+差分だけで終わるものなので、 多いかと言われれば微妙か。
- 原画家の比重は担当攻略キャラ数が同じくらいなせいもあり、ほぼ半々。
- 大半が同じ場所で過ごすこともあり、背景は多くはいらないが話の都合上1,2度しか登場しないような場面でも 黒or白塗りバックで済ましていないことは地味にいいところか。
- 立ち絵には公式キャラクター紹介にあるキャラを除いて(櫂は無い)、【いろは】だけが存在する。
- 総合点
- 87点/100点
- 総括コメント
- ぶっちゃけ真希奈って『ツグナヒ2』の千尋……。
- 16ものエンドを作ったせいか、やや話が分散した感じ。ボリューム的には十分なのだけれども、こういう謎究明や設定、伏線、サスペンス系 っていうことを考えると物足りなさはあるかも。
- 話自体はしっかりしていたので、描き切れていないとこはあるものの、先の展開が気になる、読めない作品だったという点では十分な出来。
- キャラ的には不遇キャラとそうでないキャラの差が激しかった印象があり、ゲームプレイ前(体験版プレイ後)と、本編クリア後で 印象ががらっと変わったキャラも少なくない。
- ・雪島 櫂(主人公):父は来栖社を救った『救世主』扱いされる人物。兄のるいも優秀だったが、身体が弱かったために 若くして他界。そのことにショックを受けた母は生きている櫂をるいと同一視し始めるが、るいより成績などが劣る櫂に幻滅し、 当館に送られる。
- ・来栖 みちる:小さい頃に櫂とパーティーで出会い、翠の海で再会した少女。親戚など身内で固めた来栖社が倒産の危機に際し、
偶然事故に遭ったみちるとその両親を裏切り者扱いとすることで乗り越えようとした。その際、みちるとその両親は死んだ扱いを受け、
みちるは当館に送られることになる。
後から入ってきた紡をいじめる者が現れ、迷った末に排除することを選んだのをきっかけに この翠の海を楽園とし、色々な決まりを作り、適応者と不適応者の区別を付け、後者の場合は紡と協力し、排除してきた。 教会はそのことに対する罪の意識からいろはに頼んで作ってもらった。 - ・嵯峨山 知紗:小さい頃から【周りに合わす】ということが苦手で、友達が作れず、
仕事にかまけて相手をしてくれなかった両親とも溝が出来てしまっていた。
そんな中、大企業の嵯峨山グループの会長とでチャットで知り合い、親交を深めたことで、
養子扱いされていることになっていた。その結果、他の親族から疎まれ、狙われることになり、当館に逃げ隠れる羽目になった。
メンバーの中で一番、翠の海の外への願望が強く、櫂を含め、色んな人間に意味深なことを言って焚きつけ、外に出るための協力者を探していた。 - ・瑠璃垣 空音&陸乃:姉の空音は妹の陸乃と仲違いし、心が壊れたということで両親に当館に送られる。 同時に姉のことが心配だった陸乃は護衛の沙羅と一緒に期間限定で当館に一緒に住むことになる。
- ・躑躅森 沙羅:金持ち専用の護衛が家業。空音と陸乃の護衛で館に来る。双子命。
小さい頃に双子と出会い、仲良くしてもらった事から任務だけでは言い表せない絆がある。 腕は確かだが、実はゲーム好き、人見知り、甘い物・可愛い物好きのひきこもり。何気に影のメインヒロイン。 - ・甘利 灰奈:会社の重役を務める父を持つが、家政婦に任せきりで育つ。家政婦らにいじめに遭い、 多くの痣を身体に持ち、それを恥じた父によって当館に送られる。
- ・紡:幸せな家庭で育つも両親が喧嘩をすることが増え始め、いつの間にか当館に連れて来られる。 知らなかった、知ろうとしなかったことの後悔に併せて、当館で紡をいじめた人間を不適応とし、 排除してくれたみちるに同調し、楽園の平和を守ることを手伝うようになる。主に鋏で不適応者の排除をみちると交互に行ってきた。 普段はあまり寝れない性質なため、監視も行う。
- ・真希奈:今作ではトップを争う不遇な子。真希奈の母は真希奈を生んですぐ離婚し、真希奈を立派に育てようとする。
しかし、進学が失敗したことが切っ掛けで真希奈は初めて反抗し、それを見た母によって当館に送られる羽目になる。
その影響で強要されることを嫌う。
登場するルートでは色々な死に様を迎えてしまうため、攻略キャラの中で唯一、生きて主人公とエンディングを迎えることが出来ない。 空気の読めない子ではあるが、境遇が主人公と似ていることもあり、一歩間違えれば主人公もこうなっていたと思えるシーンがいくつもある。 - ルールとしては、和を乱さないこと。大勢の前で自分の過去のことを話したり、同居人に危害や不安を与えるようなことをすることで 不適応扱いを受けることとなる。
- 優希のように曰くありそうなキャラでも、サブキャラはとにかく特に何も無かったりする。 もう少しこの辺りを生かしてくれていたら盛り上がったかも。
- 名字もそれぞれ設定があるみたいだが、特に繋がりや裏設定的なものが無かったのも残念。 実は兄弟姉妹だったとかいうベタなものでもあれば、名字が無い設定を生かせれたかなと。
- 平行世界での記憶を有しているような会話やシーンがいくつか。